「かぜ」は、冬の寒い時期に「咳・鼻水・発熱」などを伴って発病するものとイメージされがちです。しかし、夏に子供を中心に流行する「かぜ」として、ウイルス性感染症があります。夏かぜをひいてしまっては、楽しいはずの夏も台無しです。ここでは、夏かぜの予防方法などについて紹介します。
梅雨の時期から注意が必要
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代表的な夏かぜとしては、手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱などがあります。咽頭結膜熱はプールでの感染があることから「プール熱」とも呼ばれます。これらの夏かぜは、高温多湿を好むウイルスが原因で起こり、夏期に流行します。手足口病は、4歳位までの幼児を中心に夏季に流行が見られる疾患です。へルパンギーナは、5月頃より増加し始め、7月頃にピークを迎えます。咽頭結膜熱は、6月頃から徐々に増加し、7~8月にピークを迎えます。
知っておきたい予防方法
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手足口病、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱は、いずれもウイルスが原因のため抗生物質は効果がなく、治療は症状に応じた対症療法となります。そのため、しっかり予防することが大切です。
夏かぜの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。予防には、ウイルス感染を防ぐための対策が有効で、「ウイルスとの接触を避けること」「万が一、ウイルスに接触しても発病する前に排除すること」が大切です。まず、感染を防ぐためには、飛沫を浴びないように人混みや、混雑する施設内などには必要以上に近づかないこと、そして外出後は流水・石鹸による手洗いを確実に行うことです。特にこの時期、プールで遊んだ後などは、しっかりとシャワーを浴びて、洗い流すことも大切です。もちろん、感染が疑われている人とタオルなどを共用することも避ける必要があります。そして、最も重要なのは自分自身の免疫力を高めておくことです。普段から十分な栄養と睡眠をとって体力維持に努めることが大切です。
夏かぜのときにやってはいけないこと
夏かぜにかかってしまった場合は、ウイルスを早く排除することに努めることが重要です。そこで最もやってはいけないことは、「思い込みによる軽々な自己判断」と「体力を消耗させる行為」です。自己判断で服用した薬によっては、逆に治癒が遅れてしまう場合もあります。症状が軽いうちに専門医に相談しましょう。夏場のプールや屋外での活動は、体の冷えや直射日光により、体力が急速に消耗するので厳禁です。また、エアコンの影響による手足の冷えなどにも注意が必要です。そして、他人への感染について無頓着であってはいけません。特に小さいお子様や、高齢の方と暮らしている場合は、感染拡大を防ぐための対策を講じたうえで生活しましょう。
まとめ
ほとんどの夏かぜは、ウイルスが原因で対症療法しかないため、予防を心がけるようにしましょう。まずは、ウイルスとの接触を可能な限り防ぐこと。そして、何よりも自分自身の免疫力を高めて、ウイルスに抵抗する力をつけておくことが大切です。夏かぜに負けない体づくりを心がけ、思い出に残る楽しい夏にしましょう。